ハリとお灸の話
㉔ 2種類のハリ
現在、当院では2種類のハリを使って治療をしています。
毫鍼(ごうしん)と鍉鍼(ていしん)です。
豪鍼は、従来から使っている使い捨てのハリで、体内に1~2ミリ刺入します。
これで脈を整え、気の巡りを良くし、症状の改善の図っていきます。
主に東洋医学的処置に用います。
一方の鍉鍼は、体内には刺さず、体表面に軽く接触し、
チクチクとした痛圧刺激を加えていきます。
この痛みの刺激が、生体内に「痛いもの反射」を引き起こし、
副交感神経反応を促し、交感神経の興奮を鎮め、
自律神経のバランスを整えてくれます。
実は、痛みや腫れ、凝りやしびれのある所は、「交感神経の害」といって、
炎症があったり、神経の痛みや血行障害が起こっていたりします。
副交感神経反応はそれらを緩和してくれるのです。
治療ではこのように2種類のハリを用いて、気になる症状を改善し、
自然治癒力が高まるように導いています。