ハリとお灸の話
㉓かゆみを取る
夏は蚊の季節です。
蚊に刺されてのかゆみには、お灸がよく効きます。
かゆみがもっとも強い1点を見つけ出し、
そこに爪楊枝の先ほどのお灸を3壮(そう)すえます。
かゆみが瞬時に取れます。
順天堂大学の研究によれば、蚊は人を刺すとき、唾液を送り込みます。
すると、蚊の唾液に反応して、人体内にヒスタミンが発生し、
それが神経を刺激し、かゆみを起こすとのことです。
なぜお灸でかゆみが取れるのでしょうか。
お灸は艾(もぐさ)で皮膚を焼きます。
するとその温熱刺激が、抗ヒスタミンの加熱タンパク体を生体内に発生し、
それがヒスタミンの作用を抑え、かゆみを鎮めると考えられます。
お灸の代わりにドライヤーをかけてもいいです。
かゆいところに熱風を当て、熱くなったら離します。これを3度繰り返します。
結果、お灸と同様の効果が期待できます。
ドライヤーの用途は広いです。
治療を終えた患者さんです。
腰の広い範囲がかゆいとの訴えです。
腰を出してもらい、かゆみのある一面にドライヤーを3度掛けました。
ピタリとかゆみが収まりました。