ハリとお灸の話
㉒郄穴(げきけつ)
治療では、気になる症状が、急に出たか否かをお聞きして、
しかるべきツボを決める場合があります。
右の下歯が急に痛くなった患者さんです。
右の前腕中央にある温溜(おんる)穴にハリをしました。
すると歯の痛みが和らいできました。
これは急性の症状によく効く郄穴(げきけつ)の効能によります。
郄穴とは、急性の症状で反応が現れ、治療点となるツボです。
人体には12の経絡がありますが、それぞれの経絡に一つずつ配置されています。
歯の痛みに用いた温溜は、大腸経の郄穴なのです。
それ以外の郄穴として、
急な胃痛には、膝の上にある胃経の梁丘(りょうきゅう)、
また、舌の痛みなら、膝の下にある脾経の地機(地機)がよく効きます。
なお、慢性症状の治療には、絡穴(らくけつ)があります。
郄穴同様、12経絡のそれぞれに配置されています。