ハリとお灸の話
⑱ 接骨院のかかり方 2
「手を伸ばして荷物を取ろうとした時、急に肩が痛くなった」という患者さんです。
肩関節の捻挫として治療を始めました。しかし、痛みがなかなか取れません。
このような場合、腱・腱板損傷を伴った捻挫が疑われます。
筋肉は白いスジの腱になって骨に付いていますが、
腱には血管の分布が少なく、データによれば治るのに約5カ月かかります。
ところが、4ヵ月を越えても治らないと、
接骨院ではそれ以上、保険治療ができない決まりになっています。
そのため一度、保険の請求を中止しなければなりません。
ただし、ここで他に気になる症状があれば、
新しく傷病名を立てることで、保険治療が可能です。
こうして新たな部位で保険治療をしながら、
先の肩関節捻挫にも施術を続けていきます。
長期にわたる治療の場合、このような方法が、よく接骨院ではとられます。
ただ最近は、治療が長引くと、保険者である役所や健康保険組合から
転医を指示されたりします。
様々な制約や規制の中で、接骨院での保険治療が取り扱われています。