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なかいち通信

ハリとお灸の話

⑫ 小児ばりに想う

「♪赤ちゃん夜泣きで困ったな カン虫、乳吐き弱ったな ヒヤヒヤ、ヒヤのヒヤキオーガン」

 

昔よく耳にしたCMソングです。
夜泣き、カン虫、乳吐き。小児ばりはこうした症状に効きます。

 

カン虫とは聞きなれない言葉ですが、疳虫(かんむし)と書きます。
小児がぐずったり、かみついたりするのを「疳虫が出た」と言ってきました。

 

小児は欲求があっても十分に伝えることが出来ません。
ストレスを体の中にためてしまい、それが小児の神経症状を起こしたり、
下痢や便秘、異物を食べるなどを引き起こすと考えられています。

 

治療では、子どもの体表面をハリ先でこすっていきます。
すると皮膚面が赤くなり、汗ばんできます。このようにして交感神経の緊張を緩和し、
子どもの異常な興奮状態を開放していきます。
と同時に、育児に疲れた若いお母さんの気持ちを支えていくのです。

 

かって大阪は、小児ばりが盛んな地でした。
機嫌よく、健やかに育つようにと、おばあちゃんが
孫を治療に連れて行く習慣があったようです。八尾市にある大師はりでは、
日に850人もの来院があったとか。

 

核家族化が進み、かつ健康保険制度の発達で、
今ではそのような風景も少なくなってしまいました。